フィクションにリアリティを求めるな、という意見に対しての考え

たまに目にするフィクションにリアリティを求めるなという意見に対して。

まず、リアルとリアリティを混同している。

リアルは本物であって、リアリティは本物らしさや偽物(創作物)を本物だと鑑賞者を誤認させる(物語世界へ没入させる)ために必要な要素、もっともらしさ、説得力のことだ。

フィクションにリアリティを求めるなと言う人の言いたいことは分かるが、その文脈だと、フィクションにリアルを求めるなと言う方がより正しいだろう。

リアリティはフィクションに必要なものであって、それがないと鑑賞者はメタ視点で見るようになる。つまり、物語世界に没入できず、鑑賞者の脳裏に創作者の影がちらつき、物語世界の人物、出来事が創作者のお人形遊びに見えてしまうのだ。