『落語ディーパー!』明烏の回

柳亭小痴楽を見ると大学の先輩を思い出す。落語に関しては詳しくないが、小痴楽は一見軽薄な洒落者に見えるが、その実力でもって周りから一目置かれているという印象を受ける。小痴楽の落語をちゃんと見たこと無いし、そもそも小痴楽以外の落語家の噺をそれほど聞いたことがないから、あの人は上手い、一方であの人は拙いといった相対的判断に基づく批評のようなものはできないけれど。先輩も小痴楽もチャラ男でお調子者でありながら、周りから認められていて、その人生のバックボーンには強固すぎる芯があるという点で共通している。(小痴楽は言うまでもなく、父親が噺家だったという点で幼いときから落語の世界に親しんできた。先輩も、親がその道の先生だったという点で)。

テキトーに生きているように見えながらも、確かな実力を持ち、その実力で周りを認めさせるというところが、人並み外れて見えて、「あの人はすごい」と凡人を憧れさせるのだろう。また、自由に生きているように見えて、それまでの人生縛られて生きていたというギャップが、人間的に魅力的に見えるのだろうか。